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ソフトバンク人事トップが描く「AI時代に勝つ組織」

読了目安:8分

豊かな水辺と緑に囲まれ、最先端技術と都市機能が融合した国家戦略特別区域・竹芝。そのランドマークとなる「東京ポートシティ竹芝」のオフィスタワーには1,000台以上のAIカメラやセンサーが張り巡らされ、人流データがリアルタイムに分析されている。最先端のスマートビルを実現したのは、この地に本社を構えるソフトバンクのテクノロジーだ。

AIは組織の未来や人々の働き方をどう激変させるのか? 「HR LIBRARY」創刊(2026年3月25日)にあたり、この問いを投げかけるに最もふさわしい人物を探して行き着いたのが、ソフトバンク株式会社 常務執行役員 兼CHRO コーポレート統括の源田泰之氏。人事総務本部に加え、法務、コーポレートガバナンス、CSR、広報といった部署を合わせ約600名規模の組織を束ねる重責を担う。人事トップとして組織の最前線に立つ源田氏へのインタビューでは、人材ポートフォリオ変革の決断の背景から、人事部門の役割、人事メンバーに求める資質、意外な情報インプット術まで多様な話題が飛び交った。

人材を新領域へシフトさせる組織変革

人材を新領域へシフトさせる組織変革AIエージェントが労働力を補完するための現実的な選択肢になった2025年。NVIDIA創業者のジェンスン・フアン氏は、「IT部門は将来、AIエージェント用人事部になる」と予言した(※1)。組織図に人間とAIが同列で記載される時代に、組織の形はどう再編されるのか。源田氏へ真っ先にぶつけたのは、そんな問いだった。「1年後にはまったく違うことを言っているかもしれないが」と断りながら、こう語る。

「未来の組織は、相当ドラスティックに変わるでしょう。ソフトバンクのグループ各社の人事責任者で議論した際、『本当に今の規模の従業員が必要なのか』という本質的な問いすら出ました。実際、一部のAIスタートアップは、その存在感と比べて信じられないくらい少人数で組織が運営されています。こうした極端な事例も参考にしながら、あるべき組織の姿を多角的にシミュレーションしています」

ソフトバンクは、名実ともにAI企業の最前線にいる。事業領域を急拡大させる一方で、社員数はこの3年約1万9,000名でほぼ横ばい。社内では何が起きているのか。

「生成AIを徹底的に活用することで、既存業務の効率化を図りながら、そこで浮いた人的リソースを新規事業へドラスティックにシフトさせる。これが人材戦略の要です。AIデータセンター構築やクラウド事業、あるいはOpenAIとの合弁会社『SBOAIJapan』など、これまでにはなかった新しい領域に人員がシフトしています。社員数を増やさずに事業を拡大できているのは、AIエージェントと人間が役割を分担し、人が高付加価値な領域へ機動的に動いているからです」

2025年には「全社員が1人100個のAIエージェントを作る」というビッグプロジェクトを完遂。個人の「AIを使う力」が高いのはもちろんだが、組織的な仕組みがなければ、ここまで急激に人材ポートフォリオの変革を推進することは難しいだろう。

「『自律的なキャリア形成』を重視しています。個人の挑戦したい意思を尊重しつつ、戦略投資領域へスムーズに人を異動させる。この需給バランスの最適化こそが、人事に求められる役割です」

その中核を担う仕組みが「フリーエージェント」(※2)と「ジョブポスティング」(※3)だ。これまで累計約3,000名がこれらの制度を利用して異動しているという。多くの社員が自ら手を挙げ挑戦する「手挙げ文化」が、ソフトバンクの競争力を支えている。

「フリーエージェントは、

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WRITTEN BY

源田 泰之

ソフトバンク株式会社 常務執行役員 兼 CHRO コーポレート統括

1998年入社。営業を経て2008年より人事領域を担当。現在、SBイノベンチャー株式会社代表取締役社長、SBアットワーク株式会社取締役を務めるほか、高い志と異能を持つ若手人材を支援する公益財団法人 孫正義育英財団の事務局長も兼務。2019年には『日本の人事部HRアワード2019』企業人事部門(個人の部)最優秀賞を受賞。

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